春節(チュンジェエ:中国の正月/旧正月)の期間に小さな熱気球を上げる様子です。
小さな熱気球は孔明灯(コンミンディン)と呼ばれ、油を染み込ませたボロ布へ着火して飛ばす自家製の竹フレームに紙を貼った2m以上の物から、固形燃料をセットした60cmほどのキットまで様々な大きさが有ります。
飛翔原理は現在のスポーツや観光用の熱気球と同じで、炎熱で膨張した軽い空気を袋へ溜めて浮力を得ています。
飛翔方向は、その時の風向き任せです。
始まりは伝承によると、三国志で有名な諸葛孔明が司馬仲達の攻めに窮して救援要請に上げたとされていますが、詳細は不明です。
願いを天へ伝えるメッセンジャーの役割も有って許願灯(シュイェンディン)とも呼ばれ、祝日の夜に、誕生日の夜に、個人の願いを、真夏の夜の夢に、浜辺でキャンプファイヤー代わりに、と願いや哀愁を込め、打ち上げ花火の勢いも添え合わせて飛ばされています。
飛翔高度は、無風でも燃料の炎が消えるまでの数百メートルの高さしか上昇しません。
そして、火が消えると普通にバサッと落ちて来ます。
何気に街中のストリートや広場や屋上から上げられていて、時々、袋部分に燃え移って火達磨で落下したり、巻く風に上昇しなくて建物の間を漂うのを見ていると、火事にならないかと心配で堪ったもんじゃないです。
管理が厳しくて無闇に飛ばせない台湾では天灯(ティンディン)と言って、数千個を一斉に夜空へ放つイベントが催されています。