お気に入りのライトノベル『スターティングオーバー』(出版 メデアワークス 書籍サイズ:文庫)の紹介です。
『スターティング・オーヴァー』(ライトノベル)、タイトルの意味は『遣り直し』。
二十歳で終わってしまったファーストライフの人生、その終焉の日になったラストクリスマスまでを十歳から遣り直させられる、厨二病的で電波なセカンドライフのストーリーです。
ハッピーづくしのファーストライフをメモリーしたまま、なぜ遣り直させられているのか解らずに再びハッピーを手に入れようと、独り善がりの思い込みが甚だしいシュガーでストーカーなボッチ野郎の悪戦苦闘を描いています。
でも、悪戦苦闘は気持ちの空回りばかりで、行動は異性への告白と同性へのストーカー。
このボッチ野郎の独り語りっていうか、言い訳がくど過ぎるちゅうか、読んでいてムカつきとイラつきが混ざっていきます。
「過ちを認めて次の糧にすればいい。それが大人の特権だ」と、宇宙世紀のリーダークラスの方が言われてましたが、過ちに気付けないボッチ野郎は大人になりきれないんでしょうね。
まったく、こんなボッチ野郎のセカンドライフが、ハッピークリスマスで括られて良いのだろうかと思っちゃいます。
だけど、ファーストライフの明るく人当たりの良い、利用価値が有ると見做されて他人を引き付けてモテまくるのに気付かない、ハッピーで鈍い奴の方がウザく思えて、セカンドライフのヒッキーな彼に魅力を感じてしまうのは、そう読み込んでしまう自分が捻くれているからでしょうか?
十年間も負の連鎖を撒き散らして来た元凶のヒッキーが、そのまま負への反撃を続けていけるのかどうか、非常に気になるラストでした。
ボソっと暗い妹がポイント高いですし、はにかみ屋さんで根暗なヒイラギさんには惹かれちゃたかもです。
主人公はヒッキーで、オタッキーじゃないのですが、心理描写に被るところが有って、いつもトイレにしゃがんで力むパワーにするか、バスタブの湯に浸かって逆上せるまでか、ベッドで睡眠促進剤代わりにしてコテっとなるまでか、既に十回余りも読み直しています。
オタッキーにもイチオシかもですね。
イメージが全然違うタイトルでのヒイラギさん側からの『私』一人称スタイルで、同じタイムストーリーを読んでみたいですし、ラストの前後を妹の『ホノカ』視点の一人称で続編も執筆して貰いたいと願っています。
初版発行が2013年9月25日の作品。
イチオシの作者は、三秋縋さんです。