石川県加賀市黒埼町の『日本元気劇場』跡の駐車場に残っていた『戦艦 三笠』の1/1レプリカです。
このレプリカは、2009年11月末から2011年X`masまでの2年間に亘ってNHKで放映された司馬遼太郎原作のスペシャルドラマ『坂の上の雲』で、『戦艦 三笠』の艦上・艦内や船体の撮影用に原寸大で製作再現されました。
ロケに使用された後は、『日本元気劇場』の施設の一つ『戦艦 三笠ミュージアム』として『戦艦 三笠』と日露戦争関連の資料が展示され、再現された艦橋・艦内・艦上は自由に歩き回れて、武器のレプリカなどの装備にも触れる事ができました。
『戦艦 三笠』のレプリカは撮影用に製作された為に、外観が完全再現されていません。
オリジナルの全長130mは船首から80m余りが再現されただけで、後部砲塔を含めた約50mの艦尾部分は製作されていないです。
それに、放送画面に映らない左舷側の船体側面は艦橋下から後部の支柱が見えるオープン状態です。
それでも、日本海海戦当事を模した外観は明治時代の最強戦艦のリアルな臨場感が漂っていました。
テーマパークのゲート脇には、撮影に使用された内火艇のレプリカも野外展示されています。
江戸元禄期をモチーフにしたテーマパーク『加賀百万石時代村』(1996年4月~2006年1月)の跡地に、2009年7月から開業していた『日本元気劇場』は、複数のコンセプトでアトラクションと劇場公演を行っていましたが、2013年1月で一時休園しています。
2014年6月現在もゲートから駐車場を含めて閉鎖され、立ち入る事はできません。
ですが時折、広い駐車場を利用して様々なイベントが催されており、その際には『戦艦 三笠』を囲むフェンスまで近付く事ができます。
休園後は殆ど維持管理されていないレプリカの様子は非常に残念で、このままリアルに再現された1/1レプリカが朽ち果てて行くのを防いで、保存管理できないものかと憂いています。
例えば、近隣の片野浜の長者屋敷跡近くで海原を背景に内火艇も一緒に移築して、『坂の上の雲記念公園』とかの名称で新たにの造成した公園のシンボルとして、横須賀のオリジナルのように日本海側で保存(艦尾を増築して左舷側を塞いで、Z旗と軍艦旗を翻して、オリジナルとは逆向きに)できないかと考えていました。
2018年5月20日(日)森の影になる辺りの駐車場に『戦艦 三笠』の姿は見えません。
残念ながら『戦艦 三笠』の1/1レプリカは解体されました。
『戦艦 三笠』の1/1レプリカには、形状や高さの寸法が正確ではなくて、大きさも小さめだとの指摘や評価が有りましたが、後部1/3が無い状態の撮影モデルのレプリカにはナンセンスな事です。
『坂の上の雲』の日本海海戦の連合艦隊旗艦の『戦艦 三笠』という事に、存在意義が有ったのです。
2018年8月2日(木)駐車場には船体の輪郭跡が残るのみです。
『坂の上の雲』の舞鶴ロケで駆逐艦の代用として撮影に使用された、老朽漁船を改造して製作された内火艇のレプリカは、まだゲートの向こう側に残されています。