遥乃陽 diary

日々のモノトニィとバラエティ

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天空の足長おじさん:クモ網ザトウムシ (広西省平安壮族梯田観景区の民宿村にて)

天空の棚田で有名な広西省桂林市龍勝龍背景観区の民宿の石垣にいたザトウムシです。

日本では見掛けないタイプで、ダークな褐色の胴体と多脚にホワイトヘッドは、どことなく魔術ぽくて不気味です。

変わった形の蜘蛛だと思って名前を調べたところ、八本足の形だけ蜘蛛に似ているクモ網のザトウムシという蜘蛛類とは違う虫で、日本学会はダニの仲間に分類していますけれど、近年の分子解析により海外では蠍が入る多脚亜網へ分類するようになったとありました。

要するに蜘蛛とは似て非なる進化の系統も全然違う虫で、巣網も張りません。

ザソウムシは漢字で『座頭虫』と書き、長い足で探るように進む様子から名付けられたそうで、中国名は分かりませんでしたが、英語名は『刈り入れ人夫』(Harvestmen)です。

欧米では一般的に『足長おじさん』(Daddy Longlegs)とブラックジョーク的にも呼ばれているそうですが、。

天空の民宿村に住まう『足長おじさん』を見る限り、捕食で使われる鎌状の足先は大鎌を振って魂を刈るデスのイメージで、『刈り入れ人夫』が似合っていると思いますね。

こんな威圧的で危険感を与えるフォルムなのに毒は無く、攻撃的でも有りません。

人知れず直射日光を避けて粛々と直向に生息する個性的な昆虫です。

写真の個体は、損傷している左側の第二歩脚が痛々しいです。

ザトウムシや蜘蛛は、「頭部・胸部・腹部に分かれて、胸部からは節のある足が3対6本(二対四本もいる)と2対4本の翅(翅無しもいる)を持つ生き物」と定義される昆虫ではなくて、「鳥・獣・両生類・爬虫類・魚介類以外の小動物」、例えば蠍や百足やダンゴムシと同じ蟲の類です。

ザトウムシは古生代のデボン紀から存在して、4億1千万年前の化石が発見されています。

また石炭紀の3億500万年前に菱鉄鉱で覆われて空洞化した全身化石からは、二種類のザトウムシがX線スキャンの画像で3D再現されて、不気味な形態は既に今と変わらない完成形で、現在では一対しかない眼が前面中央と側部に合計四つ有ったと発表されています。

因みに蜘蛛の多くの種類は、眼が八つ以上付いていますね。

そんなザトウムシは、不気味なフォルムと長い脚を使って侵略者のように怪しく動く姿から、アニメのキャラクターデザインの参考にされていて、古くは『J.Qの敵のクモ形ロボット』や近年の『マトリエル』と『釜爺』のモデルになったそうです。

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