遥乃陽 diary

日々のモノトニィとバラエティ

世の中は感動と憂いに満ちている。シックスセンスが欲しい!

ふじのくに地球環境史ミュージアム /ミニチュア情景製作の技巧と発想!

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精密とは精度が緻密という意味で、細かい物が複雑に高密度という意味では有りません。
精度が緻密という精緻は高精度が緻密という意味です。
したがって精密は、精緻という事でも有ります。

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精度とは、サイズや表面や角度が正確な事で、限り無くピッタリな寸法の大きさ、歪みや反りなどの変形が無い平面で凹凸の無い滑らかな面、揺らぎの無い直角や角度、その正確な精度で丁寧な製作や作成が精密です。

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高度な正確さで丁寧な作業の堅実な積み重ねが精密なのです。
その精密な先端の鋭利さに神が宿ると古から謂われています。
そして、精密は工業系の製造に限った事ではなく、モノづくり全般に使う言葉です。
ふじのくに地球環境史ミュージアムを訪れて、その事を改めて感じました。

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ふじのくに地球環境史ミュージアムを知ったのは、モデルアーマー2016年5月誌上の田村廣幸氏のコメント記事からです。
記事の本文外に記された、『1/10くらいで人々の暮らしを再現した、素晴らしいミニ情景が有る、ふじのくに環境史ミュージアム』に、とても興味が湧いて、直ぐにでも観覧に行こうと思いましたが、なかなか行くチャンスが無くて、訪れるのに1年以上の年月が経ってしまいました。

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モデルアーマー誌にコメント記事を連載する田村氏は、ツインスターの会社にいた時の先輩で、その人当たりの優しい言動と物腰、そして、長身でハンサムな顔立ちの容姿と開発部の設計者という職務に、後輩、同僚、上司に人気が有り、『桜井さん、桜井くん(旧姓)』と慕われていました。

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その頃のツインスターは、若手男子社員の殆どが私を含めて地方出身者で、皆、就職希望の手紙を送り、試験を受けて入社していました。
東京の型屋へ発注していた金型を、少しずつ自社製造し始めた頃です。

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金型の製作工程、構造は配属された金型メンテナンス班で学びました。
桜井氏は、たった二ヶ月で独身寮から憧れの『男おいどん』の四畳半部屋のアパートへ移った、一匹狼的に粋がる新入社員の私へも、公私共、優しく御指導御鞭撻していただいた方です。
私生活は?でしたが、仕事には妥協しない人でした。

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富士の少年戦車兵学校へサイパン島から到着した帰還九七式中戦車チハを見に行ったのも一緒でしたね。
他に仲良くしていただいた先輩社員には、スィートの社長、アスカモデルの社長、エブロの社長の方々がいたのを憶えています。

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タートルの社長は金型部の新型班へ配属された同期で、現在も連絡を取っています。
エブロの社長は金型部から開発設計へ転属した方で、75mm対戦車砲の金型の立ち上げでは組立合わせに全く妥協せず、20回近くの修正試作をしました。

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アスカモデルの社長は直属の先輩でした。
静岡師団の工兵隊に召集されて香港攻略戦で大腿部に貫通銃創の負傷をした元帝国陸軍伍長の親方と共に厳しく指導されましたが、心根の優しい方で、タートルの社長と一緒に富士山を登頂しました。
(眼下に広がる雲海、強烈な頭痛の高山病、御来光、満天の無数に煌く星々、歯の根が合わない寒さ、今も鮮明に覚えています)

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ツインスターの社員は誰もが担当の仕事に真摯で妥協はせず、作業の完成度は現在も非常に高いです。
仕事に使用する道具はツインスターオリジナルが多く、精密な仕事をする会社だと当時も現在も新鮮に驚いています。

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田村氏が記していたミニ情景は、ふじのくに地球環境史ミュージアム1階の第5展示室に有ります。
このブースのテーマは『ふじのくにの環境史』で、縄文時代から現在までを四つのシーソー展示に分けて、
それぞれの人の生活と自然環境をウエイトバランスで現しています。

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このウエイトが、四角い透明ケースに入った1/16(1/10ではなかった)のミニチュア情景になっていて、その緻密でリアリティーな表現技工は全てのスケールのジオラマ作りで、とても参考になると思っています。

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縄文人、弥生人、中世時代の人、現在人、それぞれの骨格や顔付きを発掘人骨の資料から造形されていて、手足の肉付きと共に違えています。
衣服の繊維の質感、玄翁や編み込んだ篭などの道具、木目が美しい(本物の木材?)箪笥や食物などの造形は、フィギュア製作の参考になります。

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自然環境のミニ情景は、樹木の違いが分かる樹皮と枝葉に落ち葉、雀や雉や鼠などの小動物、草花に茸や苔、アワの穂に水、水中の魚に水底、地肌に小石、これらを製作された会社に、その発想と技法を学びに行きたいですね。

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現代の人のケースに有る1/16のパジェロミニは、何処のキットを改造製作したモノでしょう?

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現代の自然環境の情景だけ1/16ではありませんが、鉄道模型のレイアウト製作の山地や砂防ダムや土砂崩れの造形の参考になります。

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f:id:shannon-wakky:20171026062906j:plainスケールモデルのジオラマを製作する方には必見です。
新たな発見と製作意欲が湧くと思います。
出来るなら、シーソー展示間の時代も製作展示して欲しいかもです。

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写真撮影は全展示が可能ですが、フラッシュの使用はダメです。
三脚の持込使用も不可ですし、自撮り棒も不用意な取り回しで展示物を損傷させますのでダメです。
そして展示物にはDo not touchです。
破損や変色の恐れが有りますから触れてはいけません。

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ふじのくに地球環境史ミュージアムは、各展示のテーマ、レイアウト、展示品、バランスが緻密で精密です。
思いを廻らせ、考える展示バランスになっています。
他の展示内容も、スケールモデラーの参考になる事が多いでしょう。

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1階の展示:

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1、地球環境史との出会い

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2、ふじのくにのすがた

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3、ふじのくにの海

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4、ふじのくにの大地

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5、ふじのくにの環境史

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2階の展示:

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6、ふじのくにの成り立ち

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7、ふじのくにの生物多様性

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8、生命のかたち

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9、ふじのくにと地球

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10、ふじのくにと未来

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昆虫標本の製作

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他にも『キッズルーム』と『図書カフェ』が在り、幼い御子さんと一緒でも安心で、ゆっくりできます。
次回の観覧は何時になるか分かりませんが、まったりと図書カフェで地層標本(固め方)を思案したいですね。

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各展示エリアのガイドは担当展示物への知識が豊富な、親切で優しい女性の方々です。
概略の説明に加え、浅い問には軽く、深い質問には重く、ユーモアを交えて答えてくれます。

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会館時間は10:00~17:30ですが、最終入場は17:00です。
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は次の平日)& 年末年始
常設展観覧料:
個人:300円
団体(20人以上):200円
大学生以下の学生、70歳以上、身障者手帳所持者の方々は無料です。

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場所:
閉校になった静岡県立南高校の校舎と敷地と机や椅子などの用具を再利用したミュージアムなのですが、位置とアクセス道路が分かり辛いです。
自動車で行くには、静岡市日本平西側沿いを南北に通る大谷街道を南の駿河湾の方へ走り、静岡大学前を過ぎてから用水路のような川を渡った直ぐの左手に在るコンビニの手前を左に曲がって、細い小路に入ります。
道は細く沢沿いの森の中を抜ける寂しい道ですが、道なりに進んで坂を上るとミュージアムに着きます。
反対方向からは、大谷街道を更に南へ進み、右側に消防署が在る丁字交差点を左へ曲がって行きます。
多少、道は狭くなったり、曲がったりしますが、突き当たりまで行って左方向へ進み続けると、ミュージアムへ到着です。
丘陵奥のこの様な辺鄙な場所に在った高校へ通った生徒さん達に脱帽です。
(昼休みに買い食いに行けないし、エスケープは難しいし、変質者のアンブッシュが怖い!)

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ふじのくに環境史ミュージアム
Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka
〒422-8017
静岡市駿河区大谷5762
電話:054-260-7111
FAX:054-238-5870
E-mail:into@fujimu100.jp
ホームページ:WWW.fujimu100.jp

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PS1:
ツインスターに入社して直ぐに各工程の作業を1週間ずつ体験する実習が有りました。
その実習で生まれて初めて、毎日、同じ位置で8時間拘束されて流れ作業を繰り返すという事の辛さに、
『死にそうだ』、『死んでしまう』とレポートに書いていたところ、新入社員の実習カリキュラム指導の20歳代半ばぐらいの先輩から、ミーティングで『君は、本当に死んでしまうのですか?』と問われて、大赤面してしまいました。
それ以後、『死ぬ、死ね』などの不幸な言葉を言わない様にして、気持ちもネガティブからポジティブへ切り替えています。

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その体験実習にショップ店への完成見本を作るという工作室の部署で模型組立の作業が有りました。
デザートラットのフィギュア4体セットを与えられてパーティングライン処理と塗装を命じられました。
当時の色塗りは指定範囲を指定の色で綺麗に塗るという単純さで、その単純さと詰まらなさに、実感を持たせた塗装の許可を求めたところ、『遣ってみろ』と許されました。
ハイライトとシャドウ、色の濃淡に艶無しの質感、モールドの輪郭を際立たせ、表情や細部の書き込みなど、ウエザリングや汚し以外の塗り込みを行いましたが、結果は不採用の却下でした。
折角、レンブラントの絵の人物の様になったのに、今じゃ当たり前のリアルな塗装が当時は理解されませんでしたね。f:id:shannon-wakky:20171026064928j:plain
金型部の新入社員の歓迎会が静岡大学近くの焼肉屋で行われました。
そこで初めて薩摩芋焼酎を飲み、気が付いたら自分の四畳半の部屋で寝ていて、既に翌日の昼過ぎでした。
ゲロや二日酔いは経験していましたが、意識が無くなったのは初めての事でした。
その翌日の月曜日に知ったのは、意識を無くした私を介抱して部屋へ入れたのは、同期のタートルの社長と直属上司のアスカの社長でした。
しかも、送られる途中でアスカの社長の新車の中でゲロっていて、平伏して謝っていた次第です。
たぶん、酒が強くなったのは、それが切掛けです。
改めて、申し訳有りませんでした。

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PS2:
因みに、鉄筋モルタルの四畳半アパートの大家さんは、静岡師団の対戦車砲を担当した陸軍の軍曹でした。
フィリピンで鹵獲したトミーガンを背負い、ぬかるんだ道で任されていたゴムタイヤ仕様の90式野砲を押して回っていたそうです。
砲弾が無くなった後は逃げるだけだったと話してくれましたが、戦闘の詳細や逃げて復員するまでの事は言いませんでした。
日中戦争から従軍されていた寡黙で頼りになる方でした。

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