前方視界不良の怠惰さと危機感の無さの相乗が一瞬で絶望感に浸らせてくれます。
日常化しているドライバーの悪しき習慣は、それが原因とは気付かずに歩行者を死傷させています。
普段通りに見通しの良い横断歩道を女性はスマホを操作しながら歩いて行きます。
そこへ大通りから左折していた大型ダンプが迫って来ます。
大通りから見えていたはずの女性はピラーの死角にいて、ドライバーには横断歩道に誰もいないと認識されました。
なので曲がる勢いのまま女性に突っ込んで行きます。
曲がり始めから此処まで女性の姿はダッシュボードに隠れて、障害物は何も無いというドライバーの思い込みは揺らぎません。
何の躊躇いも無く、ダンプカーは減速する事無く、スマホに興じながら歩く女性にぶつかります!
突然の衝撃に訳が分からないまま、女性は倒れて行きます。
ダンプカーは倒れた女性は車体前部の下に入りますが、ドライバーは全く気付いていません。
女性を襲うサドンデスの瞬間です!
左の前輪は女性に乗り上げずに無理押しして、動きが鈍った車の違和感に、ドライバーは一旦停止後、路面確認の為の後退をします。
後退するダンプカーの下から現れたのは、身動き一つしない横たった女性でした!
ドライバーはパニくり、大慌てで降りて行きますが、彼女は出血して虫の息です……。
ピラーで遮られる視界の範囲です。
車の方向変更に連動して死角範囲も動いて来ますが、問題にすべきなのは死角に入っている対象物も方向変更した向きへ動いていた死角に入り続けて存在に気付けない事です。
この事故でも大通りで進行方向を確認した時には、既に横断歩行者はピラーの死角にいて、曲がる車のピラーの移動と歩行者の移動速度が合致していた為に、ドライバーは歩行者に気付けませんでした。
ダッシュボードのプレートが直前の視界を狭め、更に、その近くに置かれた物の反射影がフロントウィンドウに映って直前で見えているはずの女性の頭部を隠してしまいます。
そして悲劇は起こりました!
『推して知るべし』や『察し』や『安全・安心運転/快適運転の邪魔』と考えるドライバーは、ダッシュボードの上や視界を妨げる場所に物を置きませんし、貼りません。
横断歩道を渡っていた女性は、不幸にも二重に安全確認を怠り、察しの無い思い込みだらけの怠惰なドライバーに因って悲劇に遭遇してしまいました。
この様にダッシュボードの上に物を置いて、視界を狭めて視界を不鮮明にするドライバーは非常に多く、
フロントウィンドウ越しにドライバーから完全に見えている位置なのに、存在を認識できないまま減速をせずに衝突する事故が多いです。
止めた車の向きの誤認、俯き加減での発進、状況・状態が未確認のままでの走行、これらはドライバーが運転可能と思い込んでいるからです。
そのようなドライバーはペダルの踏み違い危険性も重要だと思わないし、ダッシュボードが艶消しの黒色の理由も知らないでしょう。