天空の田園(広西省桂林市平安壮族梯田観景区)を歩きました。
中国語の梯田とは棚田の事です。
天空の棚田の開墾は今から八百年ほど昔から始まったそうで、標高は300~1100m、広さは80haらしいです。
早朝は日の出を見るのに西側の棚田を登り、朝食後は東側の棚田を一周して来ました。
高地の植生は殆ど日本と同じで、その草香る懐かしい大気は歩き回る疲れを感じさせません。
展望できる頂に登り、頂上の先端まで耕された見渡す限りの棚田を見ると、潤す水の水源は更に高地に在ると容易に想像できるのですが、いったい何処から供給されて来て、これからも毎年、水量が安定するのだろうかと心配になります。
畦道ほどの幅で細長い田は視界の果てまで上下に連なり、いったいどれくらいの延べ人数と労力が田植えや刈り入れに必要なのか想像ができません。
そして遥か昔に、この高地に移り住んで開墾せねばならなかった民族の苦悩と、水源を探して水路を作り治水を行った知恵と努力に想いを馳せていました。
田畑の耕作は男性の仕事だと聞きましたが、それが人の労力だけなのか、村の様子から飼っている気配を感じなかった牛馬も使うのか、までは訊きそびれました。
青空や真っ白い流れ雲を映して陽光を照り返す銀色の水鏡になった棚田、植えられた苗が伸びて新緑から濃緑に変わる草原のような棚田、朝日や夕陽を浴びて黄金色やオリハルコンのように輝く棚田、雪景色のモノトーンに沈む静寂な棚田、雲海の晴れ間に覗く天空の棚田など、眺めていると季節毎に訪れたくなってしまいます。
少数民族の凝った銀細工の耳飾りにデザイン豊かな衣装は、どれもカラフルでキュート!
農道で擦れ違う民芸品を行商する年配の女性も可愛く見えてしまいます。