遥乃陽 diary

日々のモノトニィとバラエティ 『遥乃陽 diary』の他に『遥乃陽 blog 』と『遥乃陽 novels 』も有ります

世の中は感動と憂いに満ちている。シックスセンスが欲しい!

四月は君の嘘のカヌレ・ド・ボルドー(天使の鈴)

『四月は君の嘘』のバイオリニストのヒロインが大好きで、不治の病と闘う彼女を見舞うピアニストの彼に「食べたい」とねだるのが、この『カヌレ:Cannele』です。

アニメでは第一話の初っ端の齧る場面から最終話の悲しい文面まで、何度もストーリー上のインプリンティングアイテムで登場して、どんだけスキなんだよって感じです。

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メッセージ性が強い黒猫にも丸ごと与えたりして、確かにバターやクリームは舐めるけれど、そんなに猫って甘党だっけと考えてしまいます。

それに、『拵えたパティシエやお店にいいのかよ』って思っちゃいますね。

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ちゃんとした呼び名は『カヌレ・ド・ボルドー:Cannele de Bordeaux』で、アニメを観るまで全然知らなかったです。

是非食べたいと、金沢駅前のファションビルに在るパン屋さんで早々に購入して食べちゃいました。

憧れの『カヌレ』は、外皮が硬めの、中身は軟らかめのモチモチっとした食感のビミョーな美味しさでした。

この甘味は、女子中学生に好まれているのかなぁ?

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カヌレ形という形状を型を使って焼き固める『溝付き』という意味の『カヌレ』は、フランスのボルドー地方の女子修道院で作られていた伝統的な王冠形の焼き菓子ですが、バリッ・ボリッ的な乾いた感じではなくて、外側は焦げ茶色の粘りが有る硬め、黄色い中身は切れの良い柔らかめで、しっとりとしています。

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『カヌレ・ド・ボルドー』のルーツは、赤ワインの樽に浮遊する澱(おり)を除くのに用いる卵白を取り出した鶏卵の残った卵黄を有効利用する為に、ワイン産業が盛んなフランス ボルドーのアノンシアード女子修道院で考えだされたそうです。

卵白を細かく泡立てて仕込んだ赤ワインの樽に入れると、浮遊する澱を付着させながら樽底に沈みます。

それから、澱の浮遊が希薄になった上澄みだけを別の樽で熟成させていたのです。

澱を含んだ卵白は食用にならないので葡萄畑の肥やしです。

『カヌレ』の形や大きさは、16世紀に修道女の姉妹によって棒状で作られたのが始まりだそうで、以後、菓子として、美味しさ、食べ易さ、持ち易さ、置き易さ、の試行錯誤故え、現在のデザインに固定されたのは、16世紀末から17世紀の初め頃だったらしいです

ボルドーには、1985年に郷土菓子の伝統的なカヌレを保存する製造組合が設立されています。

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外皮の艶の有る焼き色は離型剤を兼ねて型面に塗る蜜蝋(蜜蜂の六角形の巣房壁/食用で売られている蜜蜂の巣の白い部分)からなのでしょうねぇ。

中身の色合いは焼きプリンぽくて、モチモチと粘る食感は、使う小麦粉と技なのだろう。

大人味的な風味はラム酒が入る所為?

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PS1:

買って来たのをオーブンで更に外皮がカリッとするまで焼き直してから冷やすと、より美味しい食感になるのだそうですが、それって、お気に入りの洋菓子屋やパン屋で買う意味有るん?

『四月は君の嘘』のラストは、それでも協奏して、映画『ラストコンサート』のようなエンディングにして欲しかったな。

Stella isn't it. Keep it for me. And always be with you. I love you.f:id:shannon-wakky:20151205015228j:plain

PS2:
こちらは、中国全土に展開する韓国系のパン&ケーキの店で売られている『カヌレ・ド・ボルドー』です。

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形も、大きさも、見た目も、味も、触感も同じです。
違いは、触ると分かるのですが、外側に薄く蜂密が塗られていて、艶が有ります。
その分、少し甘いかも知れません。

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商品名も違います。
『カヌレ・ド・ボルドー』の名は殆ど認知されていないので、法式古典美味(フランス伝統の美味しさ)の『天使之鈴(天使の鈴)、卡娜蕾/ka・nuo・lei/カヌレ』となっています。

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確かに形は王冠よりもベルですね。
1個10元、4個纏めても38元と、しっかりした御値段ですが、損失感や味の違和感も無く美味しいです。

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この『PARIS BAGUETTE』はパンやケーキの種類が多く、そして、どれも美味しいのです。
特にカレーパンとカニパンが気に入っています。

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PS3:
そして、妻が市販の型で作る『カヌレ・ド・ボルドー』です。

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何の問題も無く、美味なのですが、『手間暇の割にアレンジできないし、味もお店以上のは、ムリ!』と、オーダーしても作ってくれなくなりました。

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労力を費やさせて申し訳無いと思うのですが、ただ作ってくれるだけで、とても嬉しいのに……、残念!